5月17日にGoogleから翻訳機能についてとても興味深いことが発表されました。英語から日本語などの自動翻訳機能の能力が格段に向上してきているということです。この機能の精度がどんどん発達するにつれて我々の生活環境も多大な影響を受けるような気がします。
Googleはいったいどのような発表を行ったのでしょうか。そしてこの自動翻訳機能の発達はどのような影響を私たちに与えるのでしょうか。
1. Googleによる翻訳機能向上による発表
5月17日の記者会見でGoogleは自動翻訳機能「グーグル翻訳」の利用者が世界で月間5億人を超えたことを発表しました。これはつまり、グーグル翻訳が一般的に「使える」ようになったことを示しており、この要因は人工知能の解析能力の向上だということです。
この記者会見の場では人工知能の活用により、文学作品のような難易度の高い文章であっても英語から日本語というような翻訳がとても自然な文章で出来ることをアピールしました。これはとても革新的なことであり、現段階でもコンピュータによる言語翻訳で十分に他言語の人たちとコミュニケーションをとれることを意味します。
もちろん外国語をしっかり理解している人にはまだ及ばないと思いますが、ある程度他国語を知っているけれども、時に間違った理解をしたり単語を思い出せない人たちよりはより確度の高い内容で自言語に翻訳出来てしまうということです。これはとても革命的なことであり、今まで悩まされていた言語の壁を取っ払うものになります。これが世の中に普及した場合、影響はどの程度あるのでしょうか?
2. 自動英語翻訳が実現したら世の中はどうなる?
自動翻訳が普及すると教育や仕事、家庭や恋愛、またそれらを包含する経済などに関しても大きく影響を及ぼすことになるでしょう。ここでは自動翻訳の精度がバイリンガルの平均的な言語能力よりかなり高いと想定します。
教育的観点での影響
まず教育についてですが、現在のような英語の読み書きを詰め込みで教えるというのは減少するのではないかと思います。もちろん教育の現場なので第二外国語まではある程度教えると思いますが、結局読み書きは自動翻訳でやれてしまうのであまり意味のないような気がします。やはりそれよりも、相手の文化を知るという観点での教育が活発になるのではないでしょうか。
コミュニケーションはツールで出来てしまうので、コミュニケーションの根幹である文化の理解というものに比重を置くべきだと思います。これが出来ると本質的なコミュニケーションの能力を鍛えることができるかもしれません。
そしてやはり翻訳の根幹となるのは自国語能力です。日本なら日本語の勉強が徹底されるべきだと思います。正しい日本語を使えなければ正しく翻訳させることは出来ません。今までのようなニュアンスでの会話ではなく、本来あるべきの日本語の能力をつけるのに時間を割くべきでしょう。
仕事的観点での影響
仕事ではもちろん正確さを重視するので自動翻訳の利用を徹底すると思います。それを考えると仕事では大きく人事面と社内育成面の2つに大きな影響があると思います。
人事面
まず人事面ですが、今までは海外取引先の言語を話せる人材を重視して採用していた会社もあるのではと思います。そこでは言語能力を優先しなければならず、コミュニケーションスキルやマネージメントスキルなど他のスキルが劣っていても採用に踏み切っていたのではと想像できます。もちろんそこには本来の期待値に応えることが出来ない社員もいて、完全に翻訳要員になっている可能性もあります。今まではそれでも翻訳作業でバリューが出ていたと思いますが、この自動翻訳機能が生まれるとその言語能力のバリューは無いに等しくなるでしょう。人事面において言語の壁が取っ払われると、よりプロジェクト実行力やコミュニケーションスキルが高い人材を配置でき、新たな事業のチャレンジなども増えるのではないでしょうか。
育成面
そしてそこで影響するのが社内育成面です。今では色々な会社で取り入れているTOEICスコアなどはあまり意味を成さなくなります。そして何よりも、コミュニケーションスキルやマネージメントスキルなどのスキルが重要視されることでしょう。もちろん現時点でも重要視されている部分ですが、今後さらにその点に評価軸を置くことになると思います。こうなるとやはり、自分で自分を成長させることができる自律性の高い人材が重要となります。
家庭・恋愛観点での影響
自動翻訳機能があれば外国人との恋愛もより簡単にできるのではないかと思うかもしれません。なんだか出来そうな気がしますが、そこにはあまり影響は無いのではないかと思います。理由は家庭や恋愛の人との繋がりに関して、今外国人と恋愛出来ている人は片言の状況であってもしっかり気持ちを伝えて恋愛できているし、言葉が同じであっても恋愛出来ない人は恋愛できないからです。つまりこれらは言葉の問題ではないということです。
ただ、外国人に話しかけるハードルは下がるかもしれないですね!より出会いが増えるということを考えると多少影響はあるかもしれません。でも恋人や家族と自動翻訳機を介して話をするというのもちょっと嫌ですよね(笑)。
経済的観点での影響
このようなことは全て経済に大きな影響を与えると予想します。経済においては経済的プラスと経済的マイナスという観点で記載します。
経済的プラス
まず経済的プラスの観点ではやはり様々なビジネスチャンスが増えるということです。もちろん各会社が様々な国々と容易に取引できるようになるかもしれないですし、例えば旅行業などインバウンドもアウトバンドも需要が急激に伸びるかもしれません。また、本や雑誌などデジタル媒体ならば自動翻訳ですぐに読めるものに変換できるので、世界中がマーケットになる可能性もあります。それこそ新聞などニュース媒体は全世界に発信できるようになるのは強みですよね!また、労働環境においても外国人労働者を受け入れやすくなるので、人手不足などの解消に一役かってくれるかもしれません。
経済的マイナス
しかし経済的マイナス面もあります。まずはこれは日本だけでなく全世界で共通と思いますが、語学市場が崩壊する可能性があります。日本においても英語マーケットというのはとても大きく、現在のグローバル化に向けての英語教育は幼稚園から定年まで幅広く行われていると言っても過言ではありません。学校教育には言語教育が残ると思いますが、例えば英語教材や英語塾、英語検定などは衰退する可能性があります。特に英語で食べていると言っても過言ではないイギリスは本当に経済が衰退するかもしれないです。イギリスは世界中から語学留学で学生を集めているので、学ぶ必要がなくなれば必然と衰退するでしょう。なのでイギリスのような国は新たな付加価値を見出す必要があります。それが文化的なアプローチになるのかもしれません。
このように様々の面でメリットがある一方、英語で食べていた人々はビジネスチャンスを失うことになります。ただ、スピーキングのマーケットは残るかもしれませんね。やはり人との会話に翻訳機が入るのは味気ないですもんね。このように考えると、英語という単位ではなくスピーキングとかカルチュラルコミュニケーションといった英語の分野を細分化するような形になる可能性はあります。
3. 人工知能が仕事の英語を翻訳してくれる時代はいつ?
ではいつになったらそんな時代は来るのか?遠い未来ではないのかと思っている方も多いと思いますが、恐らく相当近い将来に導入されていくのではと思います。
一つの例ですが、まさに2020年の東京オリンピックでは31か国語に対応した自動翻訳システムを導入し、配布するプロジェクトが進んでいます。そしてそれが実用化段階になるのは2018年と言われているのです!もちろん、そこで全ての仕事に使えるようになるかは不明ですが、TOEICが800点どうこう言っている人達の英語力は十分に超えると予想できることからも、仕事の現場などで使用しても問題ないような気がします。
これは日本のケースですが、もちろん翻訳機能の人工知能の開発はGoogleが進んでいるので、もしかしたら2018年にはもっと精度の高いシステムになっているかもしれません。本当にドラえもんの「翻訳こんにゃく」が実現されようとしています!
この記事のチャナレはこれだ!
・Googleの自動翻訳機能「グーグル翻訳」が世界で月間5億人使っていることを発表した
・Googleの人口知能の発達が複雑な文章も翻訳できるようにした
・自動翻訳が普及すると世の中の教育・仕事・経済面に多大な影響を与える
・恋愛や家庭面においては恐らく自動翻訳機の影響は少ないが出会いの数を多くする可能性がある
・自動翻訳は2020年の普及を目指し2018年に実用化される可能性がある
・ドラえもんの「翻訳こんにゃく」の時代がこんなに早くにやってくる
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