2017年の最近になってイギリスでのテロが多発しており、更には6月19日の未明にロンドンで1台のワゴン車が人込みに突っ込むという事件が発生しました。
2017年に入ってから3月にはロンドンの政治の中心地であるウェストミンスターでテロ事件が発生し、6月3日にはロンドンブリッジでワゴン車で人を次々に轢いていくというテロ事件が発生しています。
現在の流れではテロの舞台がパリからロンドンへ移されたと言っても過言ではないでしょう。そしてそのテロ事件は決してイスラム過激派が起こしているものだけでなく、反イスラム主義者のテロも起こっています。このような中でロンドンはいったいどのようになるのでしょうか。またこのテロは日本にも飛び火する可能性はあるのでしょうか。
目次
1. イスラム過激派におけるロンドンブリッジでのテロ
2017年6月3日に起きたロンドンブリッジでのテロでは死者8名、負傷者48名以上という大惨事となりました。実行犯はまずロンドンブリッジでワゴン車を暴走させて歩行者を次々と轢き、そして近くにあるバラ・マーケット付近へ移動し車を乗り捨てて、刃物で次々と傷つけていきました。実行犯は3人で全員警察に射殺されました。
容疑者はイスラム過激思想に染まっており、かつこの事件後にイスラム国が犯行声明を出しています。この事件はマンチェスターアリーナでの自爆事件が発生して間もない時に起きたことで、ついにイギリスがフランスに続きテロの舞台となったことを印象付けさせました。
そして何よりもイスラム過激思想を伝播している人物がいたりデバイスがあったりするはずであり、移民の多い国でもあるので今後も思想に染まった人物が事件を起こす確率が高いと言えるでしょう。
2. 反イスラム主義者によるロンドンのモスクへのテロ
そして6月19日に今度はロンドンの北部フェインズベリーパークにあるモスクでテロ事件が発生しました。1台のワゴン車がイスラム教徒の人々の列に突っ込み1人が死亡、10人が負傷したと報道されました。
この事件を実行した犯人は警察に取り押さえられました。逮捕後に精神鑑定をするために病院へ運ばれたそうですが、ずっとイスラムに対する憎悪的な限度を続けているそうです。
そして何よりこの事件の舞台となったフェインズベリーパークモスクは2001年の9・11事件後にイスラム過激派が集結したといわれるモスクであり、イスラム過激派を生み出す代表的な施設であったそうです。つまり、イギリスにおけるイスラム過激思想のアイコンとなる場所を狙った象徴的な事件だということになります。
3. イスラム過激派VS反イスラム主義の戦いへ
この2つの事件が立て続けに起こったことはまさにイスラム過激派と反イスラム主義者の戦いが始まったと言えるかもしれません。しかも片方はロンドンブリッジとバラマーケットという多くの観光客が集まる場所でのテロ、もう片方はイスラム過激派の聖地ともいえるようなモスクであり、明確にテロの場所にも思想が反映されているように感じます。
また怖いのは、今まで反イスラム主義者へ言論などの差別によって自己主張してきましたが、今回はテロを起こしてしまっているということです。今後イスラム教徒に対する暴力が増加する恐れがあり、その行動に対して更なる過激派の報復が発生する可能性があります。
4. イスラム過激派も反イスラム主義者も同じテロ活動
そしてこの2つのテロの共通点はどちらもワゴン車で人混みや列に突っ込んでいることです。
反イスラーム主義のテロもジハード勢力が最近多用する車で突っ込むという手法を流用しているのが興味深い。
イスラム研究で有名な東京大学准教授の池内恵先生のコメントですが、確かにその通りで決して科学技術を駆使した現代的なやり方ではなく、とてもオーソドックスな文明を感じさせない方法ですね。結局は綿密な方法や計画をとって組織的に実行しているのではなく、とても感情的な要素で実行しているような気がしてなりません。
先進国では諜報機関が発達している為、大がかりな武器を準備したり計画を立てることが実行犯側としてはリスクになっている恐れもあり、生活の延長線上で事件が起こせるようにしている可能性はあります。そしてこのようなテロこそが取り締まりが難しく、どこでも実行できるものでありより危険かもしれません。
5. 今後は東京でもイスラム過激派や反イスラム主義のテロが起こるのか?
そして最後に気になるのは、今イギリスで起こっているテロ活動が日本にも飛び火する可能性があるのかということです。そしてパリ・ロンドンと移ってきていることを考えると標的は東京になるでしょう。もちろん可能性は低いですが起こりうると思います。
以前からイスラム過激派は日本にも潜伏していると言われていますし、また最近は都内であっても大きなモスクなども出来ていることからイスラム教徒が多く集まる場所が存在すると言えます。しかし、反イスラム主義は歴史的な観点からも日本には少ないように思われ、やはりあるとするならイスラム過激派による無差別なテロでしょう。
2020年にはオリンピックもあり世界中から人々が集まるため、テロリストにはかっこうの餌食となります。また日本の警備は恐らくイギリスやフランス、アメリカと比べてもテロ対策には慣れておらず弱いイメージがあります。共謀罪などを取り締まる法整備も進んではいますが、どこまで対処できるのかは心配でもあります。
このようにテロの実施方法はとても原始的で取り締まるのが難しく、またどこでも実施できるものとなっているためベルギー、フランス、イギリスとどんどんテロの標的が移っている中、日本がターゲットにされても全くおかしくないでしょう。もしかしたら近いうちに発生するかもしれません。
この記事のチャナレはこれだ!
・ロンドンで立て続けにテロが発生した
・テロの標的がフランスからイギリスに移った
・ロンドンのテロはイスラム過激派のものと反イスラム主義者が起こしているものがある
・ロンドンではイスラム過激派vs反イスラム主義者の構図が出来上がりつつある
・どちらのテロリストも車で突っ込むなどの原始的な方法でテロを起こしている
・大がかりで綿密なものよりも、生活の延長線上にあるモノでテロを起こす方が事前に察知されにくい
・日本でも十分にイスラム過激派のテロが実施される可能性がある
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