新国家マロロシア樹立の理由と原因は?ロシアがウクライナを編入?

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ウクライナの東部で「マロロシア」という新国家が樹立宣言されました!もちろん国際的にはまだ認められていませんが、混乱期における新国家樹立宣言はISISを彷彿とさせます。

その新たに建国が発表された「マロロシア」とはいったいどのような国なのでしょうか。そしてウクライナと対立しているロシアはこの新国家樹立に対して今後どのような対応をしてくるのでしょうか。

1. 新国家マロロシアとは?指導者は誰?

まず新国家樹立の発表がされたマロロシアについてご説明します。

新国家マロロシアとは?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

新国家マロロシアとは「小ロシア」を意味し、ウクライナ東部の新ロシア派が武装占拠し2014年に建国宣言をした「ドネツク人民共和国」が樹立を宣言した国家となります。首都は現在のウクライナ東部の都市ドネツクに置く方針を示しています。

しかし、この国家樹立宣言はウクライナ全体に対しての新たな国家樹立を示したものであり、「ドネツク人民共和国」が実行支配しているウクライナ東部を独立させるものではありません。将来的にウクライナ全土を支配する計画のもとでの公式的な発表となります。

新国家マロロシアの指導者は誰?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

新国家マロロシア樹立の指導者は「ドネツク人民共和国」の首相でもあるレクサンドル・ザハルチェンコ氏になります。

レクサンドル・ザハルチェンコ氏は1976年6月26日生まれでウクライナ東部の都市ドネツクで出身です。元々電気系技師として大学を卒業されていますが、オプロットといわれる民兵組織においてリーダーに登り詰めていきます。そして2014年のウクライナ政府軍との戦闘において功績を残し、2014年4月7日に独立宣言をした「ドネツク人民共和国」軍の大将となります。そして現在は「ドネツク人民共和国」の首相となっています。

2. 新国家マロロシアが樹立宣言された理由や原因は?

そして新国家マロロシアが樹立宣言された理由や原因を追っていきたいと思います。

新国家マロロシアの樹立はクリミア危機が原因?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

まず新国家マロロシアが樹立される大本の原因は2014年に発生したクリミア危機によるものでしょう。2014年2月に発生した反体制派と警官隊の間での武力衝突が発生したウクライナ騒乱をきっかけに、クリミア半島の帰属を巡ってのロシアとウクライナの間に生じた政治危機であり、一方的なクリミア共和国の建国とロシアへの編入で大きな遺恨を残しています。

この事件を背景に親ロシア派はウクライナ東部においても政府と対立し、実質的に占拠している状態となりました。

新国家マロロシアの樹立宣言の理由は?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

そして新国家マロロシアの樹立宣言の理由ですが、レクサンドル・ザハルチェンコ氏が以下のように語っています。

「クリミアを除くウクライナの旧地域の代表者である我々は、ウクライナの後継である新たな国家の設立を宣言する。我々は、新国家がマロロシアと呼ばれることに同意する。なぜならウクライナという名称そのものが自らの信用を失墜させたからだ」

またこの新国家樹立が現在のウクライナ東部での紛争を停止するきっかけになるとも語っています。そして現在のウクライナは破綻しており、平和と安定をもたらすことは不可能と語っています。

とはいえ、この一方的な国家樹立宣言に地域の代表者が同意したところで正当性はありません。

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3. 新国家マロロシアに対するロシアの反応は?戦争に加担しウクライナを編入するか?

そしてこの新国家マロロシア樹立にとって一番重要なのはロシアの反応でしょう。「マロロシア」=「小ロシア」という意味であることからも、ロシアがバックについていることは明白です。

ウクライナ政府とマロロシア政府との戦争に加担する?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

現在ロシアはこの新国家樹立宣言に目立った反応はしていませんが、反ロシア国家である現在のウクライナをこのまま放置するとは思えません。そしてマロロシアがウクライナ全土を示して新国家樹立を宣言したことからも、今後ウクライナ全土で政府軍とマロロシア軍の戦争が起こる可能性があります。

現在の武力の状態ではウクライナ政府軍の方が戦力が上なはずですが、このような状態で新国家樹立宣言をするということはロシアの後ろ盾があるからでしょう。直接的な戦争参加はなくとも、シリアのように武器などを積極的に供与することになると思います。そして実質的にウクライナ政府を破綻させるでしょう。

ロシアはマロロシアをクリミアのように編入する?

新国家マロロシア樹立の理由と原因

もしマロロシアがウクライナ政府を破綻させた場合、実質的にウクライナは発表通りマロロシアとなる可能性がありますが、恐らくこの独立の仕方はロシアの思惑も強く国際的に認められない確率が高いと言えます。

そうなった場合、最終的には現在のウクライナの国土をロシアが編入してしまい、自治権だけ与えるといったシナリオが考えられます。これはクリミア共和国編入と同じストーリーでロシアの領土を広げるものであり、ヨーロッパに対して戦略的重要地点を獲得するものとなります。

ロシアに編入してしまえば、国際的に認められなくとも誰も手が出せない状態となり既成事実化が進むことになります。この問題の最終的なランディングの仕方はここにあるのではないでしょうか。

現在のマロロシアの新国家樹立宣言はかなり一方的なものであり、現実化しないとの見方が多い状況ですが、ロシアの後ろ盾なくしてこのような宣言をすることは有り得ず、必ずロシアと今後の領土支配についてストーリーを立てていると思われます。

実質、現在のウクライナは酷い状況であるので何とかしないといけないですが、戦争だけは避けてもらいたいものです。もし今後ウクライナ西部で戦争が始まり激化すれば更に多くの一般市民が巻き込まれることになります。大国のロシアは本分をわきまえ、何をすべきか考えるべきです。

この記事のチャナレはこれだ!

・ウクライナ東部でマロロシアという新国家樹立が宣言された

・マロロシアとは小さなロシアということを意味している

・マロロシアの樹立宣言をしたのは新ロシア派の「ドネツク人民共和国」

・マロロシア樹立の指導者はレクサンドル・ザハルチェンコ氏

・マロロシア樹立の背景にはクリミア併合があり、バックにロシアがついている

・ロシアは最終的にマロロシアを併合しヨーロッパに対して戦略的重要地点を獲得するシナリオを描いている

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