2000本安打を達成した巨人の阿部慎之助選手がイップスという病気だったことが公表され話題を呼んでいます。巨人を長年引っ張ってきた大物選手であり、今でも屈強なイメージのある阿部慎之助選手ですが、そのイップスという病気に苦しんでいたといいます。
阿部慎之助選手を苦しめたイップスとはどのどのような症状なのでしょうか。またこの病気の原因や理由は何なのでしょうか。そして他の野球選手も同じ症状に苦しんだ方もいるようです。それらを調べてみました!
1. 阿部慎之助ざっくり紹介
まず阿部慎之助選手について簡単にプロフィールをご紹介します!
氏名:阿部慎之助
生年月日:1979年3月20日
出身地:千葉県浦安市
身長・体重:180㎝・97㎏
出身大学:中央大学
阿部慎之助選手はお父さんも実業団の野球選手として活躍された方で、野球一家の中に生まれました。また野球のポジションにおいてもお父さんと同じキャッチャーをされています。高校時代には通算38本ものホームランを放ち、中央大学時代ではシドニーオリンピック代表に選ばれるなど活躍されました。そしてドラフト1位で読売ジャイアンツに入団されています。
そのジャイアンツ入団の際の契約金は10億円とも言われており、通常の入団の際の契約金額を遥かに超えていることで話題となりました。それだけジャイアンツは阿部慎之助選手に期待を寄せていたということだと思われます。
プロ入り後はもちろん巨人で大活躍し、オリンピック代表やWBCの代表などにも選ばれている球界をけん引してきた方と言っても過言ではないでしょう。2017年8月13日には史上49人目の2000本安打を達成しました。
2. 阿部慎之助のイップスとは何の病気?症状や原因・理由は?
そして阿部慎之助選手は先日、自身がイップスであったことを公表しました。そもそもイップスとは何の病気なのでしょうか。症状や原因・理由を調べてみました。
イップスとは何の病気?
まずイップスとは精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のことを指します。この病気は1930年代に活躍したプロゴルファーであるトミー・アーマーが発症したことで世間に知られるようになりました。急に通常出来ていたショットやパットが出来なくなったことで注目されたようです。
イップスになる原因や理由は?
イップスになる原因や理由は未だ決めてがない状態だそうです。色々な仮説があるそうですが、加齢に伴う脳の生化学的変化の結果ではないかと言われていたり、プレーに関係する筋肉を使いすぎたり、協調や精神集中に迫られることで精神的な障害に襲われるとも言われています。
阿部慎之助のイップスの症状は?
そして阿部慎之助選手が自身のイップスの症状についてコメントしています。
「プロに入って2、3年目だったと思うなあ」―。
2月の春季キャンプ中だった。ブルペンでイップスは発症した。巨人軍の正捕手となった慎之助は、その時、先輩投手の球を受けていた。「何球目だったかなあ」。返球するために腕を振り、球を放した瞬間、マウンド上の左腕は三塁側に体勢を崩し、ボールから目をそらした。
「危ない! 当たる!」
運良くも、ぎりぎり顔の横を通過した。ドスン! すぐ後ろの壁に直撃した。「当たらなくて良かったんだけど、でも、壁に当たった光景、音とかがトラウマになっちゃったんだ…」
ボールを投げるのが怖くなった。腕を振る途中に、体が拒否反応を示すようになった。一種の精神的な病だった。とんでもない方向に球が抜けたり、逆に引っかかったり…。捕手としては致命傷で「短い距離が苦手になる。だから、ピッチャーへの返球が一番嫌だった」と振り返る。現に、イップスが原因で現役を引退した選手は数多くいる。
プロとしてのプレッシャーからか自覚症状無しにイップスが発症したのかもしれないですね。この阿部慎之助選手がボールを怖く感じるというのはかなり異常なことであり、言うことをきかない身体に対して阿部慎之助選手自身がとても苦しんだのではと思われます。
3. イップスは治療できる?
そしてこのイップスは治療できるかという点ですが、まずこの病気にかかっていると自覚するところから始まるようです。
最初は原因を発見して失敗した場面を直視することから始まる。無意識に身体が拒否反応しているので小さい部分から徐々に成功体験させて自信を体感させる。これには精神的に覚悟や開き直りを求めるもので、失うものがある人にはきついものになる。
プロ選手において自分がイップスであるということを認めるのはとても困難なことのように思います。ただ、自分を理解し心と身体を一致させていくことで徐々に回復していくもののようです。
「慎之助は自分でイップスであることを認めているから大丈夫。治らない選手は認めないんだ。『俺はイップスじゃない』ってね。逃げたら絶対にダメ」
治療方法は人それぞれだが、横から、下から、いろんな投げ方を試すなどした。「引き出しを多くすること。いつ症状が出るか分からない。でも、投球のバリエーションを増やすことで対応できることが分かった」
今まで、たくさんのけがをした。今でも満身創痍(そうい)だ。だが、イップスは何よりも深刻だった。「普通に投げられるまでに10年はかかった」ようだ。
阿部慎之助選手は逃げずにしっかり自身の症状を受け止め、克服したようです。普通に投げられるように10年もかかったというのは衝撃ですね!この間に阿部慎之助選手はジャイアンツで大活躍していたことになります。単純に野球をしていたのではなく、病気の自分にも打ち勝つ必要があったかと思うと、阿部慎之助選手の凄さというのがどれほどのものなのかと感心してしまいますね。
4. イップスで苦しんだ野球選手は?
イップスで苦しんだ野球選手は阿部慎之助選手以外にもいるようです。2011年にDeNAに入団した北方悠誠選手やオリックスで活躍した田口壮選手、西武ライオンズで活躍した三浦貴選手もイップスだったそうです。
この方々はイップスを自ら克服したり、ポジションをコンバートして克服したりしたそうです。またコンバートしたことで能力が開花するケースもあるそうで、そこから大活躍されることもあるのだとか。
イップスはスポーツ選手にとって本当に苦しい運動障害であるようですが、自分をしっかり見つめて受け止め、それを乗り越えることでスポーツ選手としても成長できる一面もあるようです。プロスポーツ選手をやっていくためには精神面も本当に大事なのですね。
この記事のチャナレはこれだ!
・阿部慎之助がイップスであったことを公表した
・イップスとは精神面を原因とした運動障害
・イップスの明確な原因は今だ解明出来ていない
・イップスを克服するためには自分がイップスであると認めることから始めなければならない
・イップスを乗り越えることでさらに能力が開花するケースもある
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