石川県かほく市で独身税の導入提案がなされたと報道がありました!多くの人が聞きなれない独身税ですが、なんとブルガリアでは既に導入された実績があり、しかも失敗しているというのです。
この石川県かほく市で提案された独身税とはどのようなものなのでしょうか。そしてブルガリアでの失敗の内容とはどのようなものだったのでしょうか。調べてみました!
1. 独身税とは?メリット・デメリットは何?
独身税とはその名の通り結婚をしていない独身の人々に対して課される税金のことです。2004年に自民党の子育て小委員会で柴山昌彦衆議院議員が提案したことで一度話題となりました。
独身税のメリット
まず独身税のメリットですが、単純に独身の人々から税金を徴収できるようになる為、税収を増やすことが出来ます。もちろんこの根拠は既婚者は養育費などの子供に対する費用が多くかさんでいることから、その養育費などの負担のない人々が多く税金を払うことで行政サービスを充実出来ないかとのことです。
また現在独身で過ごす人が過去から増加している点でも、結婚を促進させることが出来、結婚が多くなれば子供も多くなり少子化に一役買えるのではとの意見もあります。
独身税のデメリット
独身税のデメリットとしては、事実上の「結婚の強制」となり憲法違反になるのではとの意見があります。この憲法違反というのは他にも抵触する可能性があり、信教の自由の侵害や障がい者などの結婚相手を探すのが通常よりも難しい人々に対しての人権侵害になるのではとのことです。
また偽装結婚などが横行し社会秩序を乱すとともに、その税金優遇政策が暴力団の資金源となったりするのではとの指摘もあります。
これらのような点以外でも、そもそも結婚できないのは経済的な理由も多いことから経済的弱者に対して税金を更にむしり取るという愚策にもなりかねません。
2. 独身税を石川県かほく市ママ課が導入提案?
そんな中で独身税を石川県かほく市ママ課で導入の提案があったとの報道がありました。
子育て中の女性でつくる「かほく市ママ課」と、財務省の阿久澤孝主計官(元石川県総務部長)の意見交換会は29日、かほく市役所で開かれた。ママ課メンバーは「独身税」の創設や医療費削減に関する思いを伝えた。
ママ課は市のプロジェクトの名称で、30〜40代の女性7人が参加した。メンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問したのに対し、阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。課員はこのほか、健康な高齢者が多い自治体では税負担を下げる仕組みの導入や、たばこ税増税などを提案した。
出典:北國新聞
この記事を読む限り、なんとも短絡的で一方的な提案ですね!自分は負担したくないから独身に負担させようという、損得勘定だけの意見のような気がします。もっと考えるべき点はありそうですけどね。
ちなみに結婚していて子供がおらず共働きの家庭なんて一番ラッキーですよね。所得も多く税金も安いという(笑)。もちろん子供がいる家庭が税制優遇を受ける権利があるということになると思うのですが、既に多くの自治体ではそうなっており、実質的に「独身税(もしくは子供いない税)」は払っていることになります。
3. ブルガリアでは独身税導入で失敗している?
またブルガリアでは独身税を導入した実績があるようで、見事に失敗してこの制度は廃止になっているみたいです。
ブルガリアが独身税を導入したのは1968年~1989年の短期間です。目的は少子化に歯止めをかけるためだったと言われています。そして驚くべきがその税率ですが、なんと独身者には収入の5%~10%の税金がかけられたそうです。あまりに大きな額ですね!
そして結果的には導入前の出生率が2.18%だったのに対して導入後1.86%にまで低下しました。大失敗です。その理由は金銭的に余裕のない人々は税金を掛けられて更に結婚が出来なくなったというのです。そして実際に偽装結婚も増えたと言われています。
今回の石川県かほく市での導入理由とは少し違いますが、独身税のような愚策は明らかに「なぜ独身なのか」という問題を悪化させる結果に繋がり、石川県かほく市から人々が出て行き、税収が減るという結果を招きかねないでしょう。
もちろんあくまでも提案をしたということで話題になっただけですが、既婚者側が本気でこのようなことを考えていると良い世の中にはならなさそうですね。そしてもう一度記載しますが、子供のいる家庭は既に税制優遇や補助金を自治体から受けており、その恩恵を受けれないのは独身者となることからも、実質的に独身税を払っていることになりはしませんか。
この記事のチャナレはこれだ!
・石川県かほく市で独身税導入の提案がされた
・独身税は結婚できずに少子化が進む問題を悪化させる愚策
・子供のいる家庭は既に税制優遇や補助金などを受けており、実質的に独身税を払っているようなもの
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